1歳前後になってくると、絵本に興味のある子が増えてくるかと思います。
子どもに読み聞かせする絵本の選び方は様々ありますが、その中で今回は「モンテッソーリ教育」で推奨されている絵本選びの方法をピックアップしてみました!
(※あくまでモンテッソーリ教育の考えをもとにした絵本選びであり、他の絵本の選び方を否定する意図はございません)
実際に1歳児に読み聞かせてみて、反応の良かった絵本もまとめています♪
この記事をおすすめしたい人
- 子どもが段々自分から絵本を読みたがるようになった
- モンテッソーリ教育ではどのように絵本を選んでいるか知りたい
結論からお話しすると、モンテッソーリ教育では以下の5つの観点から絵本を選ぶことを薦めています。
- 写実的な絵のもの
- 身の回りのことを題材にしたもの
- 言葉の響きが楽しいもの
- イラストが美しいもの
- 世の中には色んな人がいるということがわかるもの
モンテッソーリ教育ではファンタジーはNG!?その理由は?
モンテッソーリ教育では、魔法使いが出てくるようなファンタジーの絵本(特にこわいお話)は、6歳になるまで見せないようです。
6歳以下の子どもは、生活している中で身の回りにあるもの・自分が見たことがあるものが理解のベースになってきます。
「おばけ」の出てくる絵本、「鬼」の出てくる絵本などを、まるで本当にそれらがいるように恐がるのは、まだ現実と空想の区別がつかないのです。
- クマが自分でお着替えをしようとするお話
- 人間の男の子、女の子が自分でお着替えをしようとするお話
このふたつであれば、後者の方が子どもにとって理解しやすいということになります。
とはいえ、私自身は様々な絵本に触れてほしいなと思っているので、この辺りは絵本選びの参考程度にとどめています!
また、「おうちモンテッソーリはじめます 「生き抜く力」の伸ばし方」の著者も、このようにお話されています。
現実ではありえないおはなしを読みたくなることもあるでしょう。そういう本を読む場合には、わたしはわざとふざけた口調でこんなふうに言うことにしています。
「クマってほんとに図書館へ行くの?行きませーん。おもしろいね。そうだったらどうかな、っていうお話ですね。ちょっと読んでみましょうか」
おうちモンテッソーリはじめます 「生き抜く力」の伸ばし方 シモーン・ディヴィス著 宮垣明子訳
モンテッソーリ教育が薦める絵本の選び方5つのポイント
それでは、どういう絵本を選ぶのが良いかというと、大まかに以下の5つがポイントになってきます。
- 写実的な絵のもの
- 身の回りのことを題材にしたもの
- 言葉の響きが楽しいもの
- イラストが美しいもの
- 世の中には色んな人がいるということがわかるもの
写実的な絵のもの
モンテッソーリ教育では、子どもに対して「本物を与える」ことを大切にしています。
ただし、ライオンは動物園に行かなければ出会えないし、楽器はなかなか身近で見ることは難しいですよね。
いつでも実物を用意するというのは大変ですが、代わりに実物に近いもの、写真や写実的な絵を見せてあげると良いそうです!
写実的な食べ物の絵本
- 「くだもの」「やさい」
- 平山和子さんの絵本に出て来るくだものややさいは、本当に食べられそうなものばかり。
思わず子どもも摘まんで食べたくなってしまう程写実的な絵です!
- 「くだものどうぞ」シリーズ
- 仕掛けがたっぷりのボードブックです!くだものややさいの見た目から、断面図、葉っぱの形まで、非常に細かく描かれています。
しっかりした作りなので、小さい子にも安心して読んでもらうことが出来ます♪
写実的な動物の絵本
- 「こねこがにゃあ」
- 猫好きな子どもにぜひ読んでいただきたい一冊です!いろいろな場所に隠れている子猫のしぐさがとてもかわいらしいですよ♪
- 「どうぶつのおかあさん」「どうぶつのこどもたち」
- 毛の質感から表情まで、まるで本物の動物を目の前にしているかのような臨場感があります。身近な動物にも、動物園でしか見られない動物にも親しむことが出来ます!
身の回りのことを題材にしたもの
「おでかけをする」「服を着替える」「家族やお友達とふれあう」「季節のおはなし」など、生活の中で身近なものを題材にしたおはなしの絵本は、子どもも大好きです!
絵本と現実の体験を結び付けてあげられるように、
- トイレトレーニングをする前にトイレのお話を読んでみる
- 雨の降った日に雨の日のお話を読んでみる
など、その時その時の子どもにベストな絵本を選んであげられると良いですね♪
身支度をテーマにした絵本
- おててがでたよ
- 赤ちゃんがお着替えを頑張る、短いお話です。お着替えに興味が出てきた子や、手・足などの体のパーツが分かるようになってきた子にぜひ読んで欲しい一冊です!
- おきがえ できるかな?
- お着替えをテーマにしている、穴あき仕掛け絵本です。タンスの中にしまってあるお洋服に、次のページをめくると着替えている仕掛けが面白く、子どもが夢中になって読んでくれますよ!
- いろいろおしたく
- 朝起きてから幼稚園に通うまでのおしたくの様子を描いた絵本です。起きてからトイレに行ったり、お着替えをしたりと、朝のおしたくを丁寧に描いているので、保育園や幼稚園に入園したばかりの子に読んであげたいですね!
季節をテーマにした絵本
- はじめてであうえほんシリーズ
- 春・梅雨・夏・秋・冬と、それぞれの季節ごとの自然の変化を描いた絵本です。四季の美しさを絵とリズム感の良い言葉で表現しており、季節に応じて読み聞かせてあげたいシリーズです♪
言葉の響きが楽しいもの
楽しい響きの言葉は、聞いているだけで楽しくなってしまうものです。
1歳前後であれば、1ページにひとこと・一文くらいの文章だと集中して聞くことが出来るでしょう。
もう少し大きくなってきたら、谷川俊太郎・金子みすゞのような詩の絵本や、言葉の響きを楽しむことのできる落語・古文などもおすすめですよ!
短い言葉の響きが面白い絵本
- もこもこもこ
- 谷川俊太郎の詩にイラストを付けた0歳~2歳児向けの絵本です。不思議な言葉の響きが、子どもには何故か面白く聞こえるようで、読むとけらけら笑ってくれますよ!
- ごぶごぶ ごぼごぼ
- 赤ちゃんにも楽しめるくっきりとした色遣いと、耳に残る音の響きが楽しい一冊です。それぞれのページに、赤ちゃんが思わず触れてみたくなる丸い穴の仕掛けもあります!
詩や古文、落語をテーマにした絵本(※3歳児以上推奨)
- 生きる
- 谷川俊太郎の「生きる」と言えば、一度は耳にしたことのある詩ではないでしょうか。とある家族の何気ない夏の一日を描いているのですが、詩の内容と相まって、とにかく美しく愛おしい一冊です。
- これはのみのぴこ
- 「これはのみのぴこ」からはじまり、1ページごとに描写が加筆されて行き、最終的にはとんでもなく長い一文になってしまいます!必ずといって良いほど子どもが復唱したくなり、最後まで読み切った時の達成感がたまらないですよ!
- 寿限無
- ノラネコぐんだんの作者である工藤ノリコさんの描かれる「寿限無」です!子どもの記憶力は驚くばかりで、あっという間に内容を覚えてしまいます。
- 春はあけぼの
- 古文で必ずと言って良いほど習う、清少納言の「春はあけぼの」をかわいらしいイラストで描いた作品です。古文が苦手な人でも、絵を見ながら子どもと一緒に想像しやすく、手に取りやすい絵本です!
イラストが美しいもの
大人の目で見て美しいと感じるイラストの絵本は、子どもにとっても興味を引くものです。
美しい絵本は、子どもが一番身近に体験できるアートの1つでもあります。
このご時世、なかなか美術館に直接足を運ぶことも難しいと思います。
読み手も「きれいだな」と思える絵本を選ぶことで、子どもと一緒に豊かな感性をはぐくみたいですね。
- 世界一美しいファーストブック ウィリアム・モリス
- モダンデザインの父と呼ばれたイギリスの有名デザイナー、ウィリアム・モリスのオリジナルデザインを使用した、タイトル通り「世界一美しい」絵本です!
背景の細かいテキスタイルがとにかく美しくて、大人が読んでもうっとりしてしまう繊細なイラストです。
小さいお子さんにも扱いやすいボードブックでありながら、触り心地のよい紙質・きらびやかな装丁と、細かいところまでおしゃれな一冊ですよ♪
- 酒井駒子「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」「くさはら」
- 繊細かつしっとり美しい画風の酒井駒子さんの絵本は、目で楽しむのにぴったり。
少し文章の長いものが多いのですが、「こりゃ まてまて」は比較的短いので1歳児さんにも楽しめると思います♪
世の中には色んな人がいるということがわかるもの(※3歳児以上推奨)
少し大きくなって物事の理解の幅が広がってきたら、自分と違う色々な見た目や考え、生活環境の人がいることのわかる絵本を読んであげましょう。
外国の文化や、家族のかたち、宗教や恋愛の形など、世の中には様々な価値観を持って生きている人がいることを伝えてあげたいですね。
- 世界とであうえほん
- 世界の異文化について、楽しくまとめた絵本です!イラストのかわいらしさと見やすさはもちろんのこと、国名と番号が書かれており、世界地図のページと対応しています。
子どもと一緒に、大人も勉強出来て楽しめますね♪
- いろいろ いろんな かぞくの ほん
- タイトルの通り、家族の形について描いている絵本で、様々な事情の家庭をポップな絵柄で描いています。現代は家族の形が多様化していますが、それを伝えるのにぴったりな一冊です!
- 「王子と騎士」「村娘と王女」
- 絵本でスタンダードに描かれる恋愛の形は「男性と女性」という異性愛が多いですが、こちらはそれぞれ(肉体的な意味合いでの)「男性と男性」「女性と女性」が結ばれるお話です。
様々な恋愛の形があることを伝えるだけでなく、この絵本が絵本棚に置かれていることが、誰かにとっての救いや心の拠り所になるかもしれません。
指先を使う「仕掛け絵本」「飛び出す絵本」もおすすめ!
モンテッソーリが「3本の指は突出した脳」と称した程、人差し指・中指・親指の3本の指を使うことと脳の成長は密接な関係にあるとされています。
「つまむ」「ひっぱる」「なぞる」などの様々な仕掛けのある絵本は、読むだけでなく「指先を使う」という脳の成長に欠かせない要素が盛りだくさん。
月額1,300円(税・送料込)で、仕掛け絵本をお得に手にすることが出来るWORLDRIBRARYという絵本定期購読サービスについて、こちらの記事でもまとめています!
子どもが楽しめる絵本を探してみましょう!
絵本の選び方は様々ありますが、参考になりましたでしょうか?
色々とポイントを挙げましたが、一番大切なのは子どもが喜んで読みたいと思う絵本を選んであげることだと思います!
また、気になる絵本を図書館で借りたり、買ったりする前に試し読みをしてみたい時には、「絵本ナビ」を参照にしてみてください♪
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