毎日の食事の準備に慌ただしくキッチンに立っていると、決まって足元にまとわりついてくる子どもの姿…
子どもはキッチンに立つ大人を観察することが大好きですし、隙あらばキッチンに侵入してこようとしますよね。
キッチンには子どもが惹かれる「面白そうなもの」だらけ。
つい「入っちゃダメ!」「危ないからダメ!」と言いたくなってしまいますが、実は子どもと一緒に台所に立つ「台所育児」にはメリットが沢山あります!
- 台所育児に興味がある
- 台所育児にはどんなメリット・デメリットがあるのか知りたい
- 何歳から始められるか、どう始めればよいか知りたい
結論からお話しすると、台所育児は子どもが興味を持てば1歳からでも始められます!
また、子どもの自己肯定感や集中力を高めることや、偏食を改善することにも繋がりますよ♪
そもそも台所育児とは?
台所育児は、料理研究家の坂本廣子さんが提唱している育児法です。
最終的に推奨されるのは「幼児が最初から最後まで大人の手を借りずに一人で料理を作ること」になるようです。
下ごしらえだけでなく、一品すべてを子どもに任せて作ってもらうことで、子どもは達成感を感じることが出来ます!
とはいえ、年齢や本人のモチベーションなどを踏まえて、最初からすべて任せるのは難しい場合は子どもが興味を持つ簡単なお手伝いから初めて行くのが良いのではないかと思います。
家事のお手伝い自体はモンテッソーリ教育でも推奨しているので、台所育児との親和性も高いですね!
台所育児をする上でのメリット・デメリット
メリット
- 五感を刺激する要素が沢山ある
- 手先を使う作業が多く、集中力が高まる
- 「自分で出来た」という成功体験から、自己肯定感が高まる
- 本物の食材に触れることで食への興味を持ち、偏食が改善されることもある
- はかりやメモリなどを通して、身近に数字に触れることが出来る
- 台所育児を通した親子の関わりの中で、絆が深まる
デメリット
- 子どものペースに合わせる為、時間が掛かる
- 部屋が汚れる可能性が高い
- 火や刃物を使う為、危険のないようにしっかりと見守る必要がある
台所育児の始め方は?どんなものを用意するのが良いの?
台所育児に必要な心構え
①余計に口出しはせず、子どものやることを見守ること
子どもの「自分でやりたい気持ち」を尊重し、危険なこと以外は口を出したい気持ちをぐっとこらえ、見守ってあげましょう!
②出来たことを認めて褒めること
出来上がりがどうあれ、「自分で出来たね」「おいしそうだね」「作ってくれて嬉しいな、ありがとう」と子どもの頑張りを認め、沢山褒めてあげましょう。
「やってよかった!」「楽しかった!」は次に挑戦する原動力になります♪
③危険な行為・食べ物を粗末にするような行為に対しては、けじめをつけた態度をとること
刃物や火を使う危険な作業もあるので、おふざけは厳禁。「包丁の下に手を置かない」「熱い鍋には触らない」などの約束事は最初にしておきましょう。
もし小麦粉をふざけてまき散らすなどの遊びをはじめてしまった場合は、一旦作業を切り上げます。どんなに小さい子であっても、「食べ物は粗末にしてはいけない」ということを伝えてあげてください。
その代わり、うっかりこぼした・散らかした時には失敗を責めず、許してあげてくださいね♪
台所育児に必要な道具
<安定感のある踏み台>
台所は大人の身長に合わせて作られているので、子どもがそのまま使うことは出来ません。
しっかりと安定した踏み台を用意してあげて、子どもが作業に集中出来る環境を作ります。
<子ども用の作業台>
まだ立ったまま作業をすることが難しいと感じる場合は、座ったまま作業が出来るようにローテーブルや低い作業台を用意してあげると良いでしょう。
我が家では、IKEAのサイドテーブルが息子の作業台になっています♪
<子どものサイズに合わせた調理器具>
子どもの使いやすいサイズの調理器具を用意します。
包丁は切れ味の悪いものだと逆に危険なので、子どもの弱い力でもしっかりと切れる包丁を選ぶのが良いそうです!
台所育児の始め時
子ども自身が料理をする大人の様子に興味を持つようならば、いつでも始められます!
子どもの年齢・発達に合わせた作業を任せてみましょう。
1歳児から始められる台所育児のポイント
子どもが台所に興味を持ち始めたはいいものの、一体どんなことから始めたら良いか迷いますよね。
1歳児からでも出来る台所仕事を、ポイントと共にまとめてみました!
※誤飲、誤嚥には十分に注意して、必ず近くで見守ってあげてください!
まずは素材に触れてみるところから
普段食べている野菜が一体どんな形をしているのか、どんな触感なのか、どれくらいの重さなのか。
まずは素材を触れてみるところから始めてみましょう。
チェックポイント
●「これはにんじん、これはじゃがいもだよ」など声を掛けてあげて、食材の名前も伝えて行く
野菜を洗ってもらう
子どもは水に触れることが大好きなので、野菜をお水で洗ってもらう作業は楽しんで挑戦出来る作業の一つだと思います!
チェックポイント
●大きめのボウルなどに水を張って洗ってもらうと洗いやすい
指先を使って千切る・割く
キャベツなどの葉物野菜を千切る、きのこを割くなどは、1歳児にも出来る簡単な作業です。
最初に大人がお手本をゆっくりと見せてあげてから、やってみてもらいましょう。
チェックポイント
●きのこ類はいしづきをとったものを渡すと割きやすい
●キャベツなどは本人の千切りたい大きさに千切ってもらう
手や道具を使ってつぶす
手先を使うことが出来るようになってきたら、実際に食材に手を加えてみる作業に挑戦しても良いでしょう。
茹でたじゃがいも・バナナなどのやわらかい素材のものをつぶす事をやってみましょう!
チェックポイント
●道具を使えるならばマッシャーを使用してつぶす
●手でつぶす、直接触れることを嫌がるならばジップロックに入れた素材をつぶしてもらう
皮、殻などを剥く
お湯を通したトマトの皮や、茹でた卵の殻など、慣れてきたら細かい皮・殻を剥く作業に挑戦してみても良いでしょう。
チェックポイント
●卵は赤い殻のものだと境目が分かりやすい
●初めのうちは、少し殻を剥いた状態で渡してあげる
台所育児の主役は子ども。本人のやりたいだけ、気が済むまでやってもらいましょう!
台所での作業は、子どもの目に魅力的に映るものがたくさん。興味を持った日が台所育児のはじめ時です!
一度始めたら思いっきり作業をしてもらう事で、子どもの「やり切った」という満足感や、「自分で出来た」という達成感を得ることが出来ます。
「生きることは食べること」。生きる力は理屈じゃない。経験から得る自信がずいぶんと力をつけてくれます。そしてそれが、一見関係ないような将来の自立につながってくるのです。
坂本廣子の台所育児「一歳から包丁を」 著者:坂本廣子
最初のうち、見守る大人にとっては少々大変ではあります。ですが、親子で一緒に台所に立つ経験を小さいころから積み重ねていくことが、子どもにとっての財産になっていく筈です!
早く息子と一緒に色んな料理に挑戦できるようになりたいです♪